「テレワークできない!」と考えている地方の中小企業が知らないうちに損している3つのこと

「現場があるからテレワークができない!」「テレワークできる職種と現場との不平等を生みたくない」

そのように考え、テレワークの導入を見送る中小企業は多いと思います。テレワークに適した仕事が少ない業種ほど、テレワークの検討を進められないのはもっともです。

しかし、テレワークを導入しないことで見えない損失が出ている可能性はご存じですか?とくに生産性や採用の面で遅れを取ってしまうかもしれません。テレワークの導入を見送ることで発生している機会損失損について知り、向き合うことが大切です。

この記事では、テレワーク未対応企業が抱える3つの損について解説します。

目次

浜松の中小企業がテレワークを導入しないことによる3つの損

製造業や建設業、運送業の企業が多い浜松においても、テレワークの導入を検討しないことは損だといえます。なぜなら、テレワークを導入した企業に比べて、以下の3つの点で不利な側面があるからです。

  • 生産性において首都圏や大手企業に遅れを取ってしまう損
  • 優秀な人材の確保が難しくなる損
  • 災害時や感染拡大時に業務を止めざるを得なくなり損

以下、この3つの損について、くわしく解説します。

1.生産性で首都圏や大手企業に後れを取ってしまう損

首都圏と静岡県西部地区におけるテレワーク実施率の比較

テレワークの導入を見送ることで、首都圏の企業や大手企業に生産性の面で遅れを取ってしまう可能性があります。

パーソル総合研究所が2021年8月に実施した「第五回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」によると、東京都の企業のテレワーク実施率は47.3%でした(2位:神奈川県 42.0%、3位: 千葉県 35.6% 、4位:さいたま県 32.1%)。

一方で、静岡県は14.3%であり順位は全国で22位。中でも静岡県西部地域のテレワーク実施率は10.4%と、静岡県全体の実施率より4ポイント低くなっています。

次にテレワークと生産性の効果については、総務省が2017年に実施した「平成29年 通信利用動向調査」で「効果あり」との結果が出ています。労働生産性向上を目的としてテレワークを導入した企業のうち、82.1%の企業が目的とする効果を得たと回答しました。

労働生産性向上目的でテレワークを導入した企業による効果の認識
引用:ダイバーシティを受け入れる「多様な働き方」|内田洋行ITより

注目したいのは、これがコロナ前の調査であることです。テレワークに積極的に取り組む企業は、生産性を着実に向上していきやすいといえます。

そのうえ、東京ではコロナ禍が始まってから1年半近くの間、45.8%〜49.1%という高い水準でテレワーク実施率が維持されてきました(※)。テレワークを導入しながら新しい働き方や体制に慣れ、組織がどんどんブラッシュアップされていると考えられます。

東京都における正社員のテレワーク実施率
引用:第五回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査 図5.東京都におけるテレワーク実施頻度(2021年5月~7月)より

浜松の企業がテレワークに後ろ向きな姿勢を取り続けると、気づいたときには生産性で首都圏の企業や大手企業に大きく差を付けられてしまうかもしれません。

(※)東京都における正社員のテレワーク実施率、2020年の4月から2021年の8月の間

参考:第五回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査
参考:テレワークの導入状況特別調査
一般財団法人 しんきん経済研究所2020年9月実施
参考:第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長

2.優秀な人材の確保が難しくなる損

テレワークの実施を見送ると、優秀な人材の確保が難しくなる可能性があります。とくに最近の若手人材は、就職する企業を選ぶ際にワークライフバランスを重視するためです。

内閣府が16歳から29歳までの若者を対象に実施した就労意識調査があります。その調査では、2011年から2017年の間に「仕事よりも家庭やプライベートを優先する」と答えた人が52.9%から63.7%に増加しました。

特集 就労等に関する若者の意識|平成30年版子供・若者白書(概要版) より作成

テレワークは、仕事とプライベートを両立しやすい働き方だと考えられています。そのため、就職の際にはテレワークを実施している企業、またはテレワーク制度のある会社が選ばれやすくなります。

また、すでに定着している社員の離職防止のためにもテレワークは必要といえます。出産や子育て、介護などの事情で出社が困難になるケースがあるためです。そのような場合にテレワークが制度になければ、いくら会社に残ってほしくとも離職を選ばざるを得ない人もいます。

さらに、テレワークの実施企業では、遠隔地の人材や副業人材を活用しはじめています。副業人材には首都圏の大企業で働いているような優秀な人材もいるため、実施してない企業は活用できる人材の幅が狭まる可能性があります。

参考:特集 就労等に関する若者の意識|平成30年版子供・若者白書(概要版)

3.災害時や感染症拡大時に業務を止めざるを得ない損

テレワークの制度がない企業は、事業継続の観点を持っていない企業、対策を考えていない企業、と受け止めらるリスクを抱えてしまいます。テレワーク制度がなければ、災害時や感染症拡大時に業務を止めざるを得ない場合もあるでしょう。

災害の多い日本において、災害発生時にいかに事業を継続できるかは重要な課題です。日本テレワーク協会の調査によると、東日本大震災の直後の計画停電時において、テレワークのルールがあった企業は61.5%が普段どおりの業務ができました。対してテレワークのルールがなかった場合は、40%程度の企業しか普段通りに業務を実施できていません。

新型コロナウイルスのまん延時もテレワークで乗り切った企業が多くあります。平時からテレワークを実施し、体制を整えていない場合は、整えている企業に比べて災害時の業務継続で大きな後れを取る可能性が高いといえます。

参考:事業継続計画性の確保(BCP対策)

地方の中小企業でテレワークができない理由とその解決策

地方の中小企業でテレワークができないのは、テレワークに対してネガティブな固定観念のある場合が多くあります。テレワークについて勘違いしがちな認識は、次の3つです。

  1. テレワークはIT担当者に任せれば良い
  2. テレワークは有事のみの一時的な対応である
  3. テレワークは福利厚生である

まずはこれらの固定観念を見つめ、テレワーク本来の価値を見直す必要があります。

テレワークはIT担当者に任せれば良い

IT担当者への丸投げでは、テレワークは成功できません。テレワークは、業務改革や組織・風土の変更といった全社的な取り組みにつながるからです。社内の意識改革から始める必要があります。

根本的な改革になる場合が多いので、トップダウンで進める必要もあります。経営者が現場と密にコミュニケーションを取り、自分のビジョンを共有し、改革に対する現場との意識の差を埋める努力が求められるのです。

テレワークは有事のみの一時的な対応である

テレワークを一時的な対応と考えるのはもったいありません。時間とともに、市場環境も業務課題も変化するからです。テレワーク制度は定期的に見直して、業務体制をブラッシュアップするきっかけにしていきましょう。

テレワークは福利厚生である

テレワークは単なる福利厚生ではありません。社員が家で働ける権利である以上に、企業の生産性向上やコミュニケーションの質の向上に繋がるからです。ライフイベントや災害への対策という側面から、CSRの推進にもつながります。ひいては、企業のブランド価値を向上できる施策となるのです。

まずは正しい知識を得ることが必要

テレワークの実施を見送る判断をする際も、テレワークについて正しい知識を得て考えることが必要です。

それでもテレワーク未対応により生産性や採用で後れをとってしまうのは、デメリットが大きいといえます。経営戦略においてテレワークを活用することも、ときには必要かもしれません。

「自社と同じ業界でもテレワークを実施している企業はないか?」「導入しないとどんな損があるのか?」「どのようなツールをどのように利用すれば実現できるのか?」そのような知識を得て、テレワークを導入するか見送るかを客観的に判断できると理想です。

浜松市のテレワーク事例は以下のページから
https://hama-remo.jp/category/telework-case/

まとめ:テレワークの導入を避けている企業の“3つの損”を正しく理解しよう!

現場のある業種において「自社はテレワークができない」と考えるのは、もっともなことです。しかし、テレワークを導入しないと決めたときに発生するかもしれない機会損失も考慮しなければいけません。

時間が経てば経つほどその損は大きくなっていき、いち早くテレワークを導入した企業との差が広がっていきます。まずはテレワークを導入しない損について理解することから始め、正しくテレワークと向き合っていきましょう。

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